廃棄うどんから始まった、環境にやさしい取り組み
一般的に「廃棄うどん」とは「うどん屋で売れ残ったうどん玉・食べ残し」「贈答用商品の端材・不良品」などを指します。
約700店舗のうどん屋がひしめく香川県では、年間3750万玉が廃棄されているというデータもあり、焼却処分には時間・燃料・コストがかかるだけでなく、二酸化炭素を排出するため環境に負担をかけてしまいます。
当社の場合、うどん製品の製造工場では、生地の切れ端や商品によって決まっている規格から外れた量目過不足品がどうしても発生します。
これらのうどんは商品として販売できませんが、品質には問題ありません。一部はパック詰めしたゆでうどんとして2000玉以上をこども食堂や社会福祉協議会、福祉施設などに無償提供し、ご好評をいただいているものの、それ以外の大部分は廃棄してしまうのが実情でした。
そんな廃棄うどんが発電に利用できるのは、まさに画期的なこと。「うどんまるごと循環プロジェクト」にいちはやく参加した当社は、業界の諸団体に先駆けて環境問題やSDGs、食品ロス削減などに取り組む姿勢を示すことができ、社員の環境意識も大きく高まってきました。
これからも環境にやさしい企業の在り方を追求し、同業他社にも働きかけながら、この活動を大きな渦にしていきたいと思っています。
「家庭の味」でもあるうどん文化を学べる場を提供
香川の食文化であるさぬきうどんは、1970年の大阪万博をきっかけに日本全国に知られるようになり、瀬戸大橋の開通後のブームを経て、現在は大型チェーンが躍進し世界に拡大しつつあります。
これはとても嬉しいムーブメントです。一方で、さぬきの女性は嫁ぎ先に麺棒を持参したともいわれるように、かつてはうどんを各家庭で手打ちしていた歴史があります。
この「自分で作って食べる」文化も後世にきちんと残していきたい、という使命感ともいえる熱い思いから、私は自社工場での「手打ちうどん教室」や小学校などでの
「出張うどん作り体験教室」を積極的に実施しています。プロジェクトの一環として手打ちうどんを体験してもらった皆さんも、1時間くらいで作れる手軽さを実感していただけたのではないでしょうか。教室で習ったポイントを思い出しながら、
ぜひおうちでも作って楽しんで、さぬきうどんの文化を受け継いでほしいと願っています。